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会計に関する情報室

会計公準

企業会計が社会的制度として広く承認されるためには、その基礎に現実的正当性をもつと認められた、いくつかの前提条件が存在します。その前提条件を会計公準といい、これには3つの公準があります。

企業実体の公準

企業実体の公準とは、企業会計の会計単位に関する公準です。通常、企業が成立するためには、誰かが会社に出資しなければなりません。その企業の財産は最終的には出資者たる資本主に帰属します。そこでその企業の財産の増減変化の計算を行うことは、資本主が出資した財産の計算を行うということになります。確かに資本主からの出資によって企業が成立するわけですが、いったん企業が成立すると、その企業という実体は資本主から分離独立して社会的に存在するということが社会的に暗黙のうちに承認されることになります。そこで企業会計は資本主に帰属する財産の計算を行うのではなく、その企業という実体の会計を行うということが、企 業実体の公準であり、所有と経営の分離の原則の根拠となるものです。
そして、通常は株式会社という法的に独立した実体が、一つの企業実体と考えられています。
ところが、株式の所有その他による企業支配方式が、一般化するにつれて、企業実体の概念は複数の企業を包摂することになってきます。ここでは親会社とその支配 下にある複数の子会社(法的実体)がひとつの経済的実体として認識されます。こうした企業集団を対象にとする財務報告が連結財務諸表です。
このように企業実体の公準は、法的概念を越えて複数の企業または企業集団を独立の経済的実体としてとらえ、これを会計単位として措定しようとするように範囲が拡大されることもあります。

継続企業の公準

企業実体の公準により、社会的に存在すると暗黙のうちに認められた企業実体が、将来どの位の期間にわたって存在するかということにかかわっているのが、この継 続企業の公準です。
この継続企業の公準は、反証のないかぎり企業がその経済活動を将来にわたって継続的に営むことを前提に、種々の会計手続きを実施することを承認する社会的仮定です。
企業が営む経済活動のなかには、例えば耐用年数10年の機械を購入して製造活動をするとか、工場の家賃を1ヶ月分を支払うとか、様々な形態のものが存在します。そこでそれらの最終結論の数値を得るためには、前途の機械の場合には、10年後待たなければならなりません。一方企業会計は、一定期間ごとに利害関係者に企業の経済活動に関する情報(財務諸表)を提供しなければなりません。そのために前途の機械のような場合には、それが10年後にどのような状態になっているかを合理的に見積もり、そこから当期間中にその機械はどうなるかを予測計算しなければなりません。
このように、将来にわたって継続的に営まれると仮定される経済活動を人為的に一定期間ごとに区切って計算をする必要があり、企業会計は継続企業の公準を前提として期間損益計算を行っています。

貨幣的評価の公準

貨幣的評価の公準は、測定尺度としての貨幣単位を用いることによって、企業の財産、資本、会計処理を貨幣単位に換算し、統一的に記録・測定・伝達することを承認する社会的仮定です。
この貨幣的は、過去の経験の示すように安定的な尺度ではありません。しかし、貨幣価値の変動は修正を必要とするほど重大なものではないという社会的合意のもとに、経済活動を営み、その記録・測定・伝達を行っています。