日商簿記検定
簿記は、企業規模の大小や業種、業態を問わずに、日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能です。
簿記を理解することによって、企業の経理事務に必要な会計知識だけではなく、財務諸表を読む力、基礎的な経営管理や分析力が身につきます。また、ビジネスの基本であるコスト感覚も身につきますので、コストを意識した仕事ができるとともに、取引先の経営状況を把握できるために、経理担当者だけではなく、全ての社会人に役立ちます。さらに、公認会計士や税理士等の国家資格を目指す方や他の資格・検定と組み合わせてキャリアアップを考えている方々にも必須の資格といえます。
簿記に関する技能を認定するために様々な簿記検定試験が実施されていますが、中でも日商簿記検定試験は、日本商工会議所が簿記の普及向上を通じて、企業経営の健全化と経済社会の発展に寄与することを目的として1954年から施行している検定試験です。
現在、多くの企業が社員に対して簿記検定の資格取得を奨励しているほか、大学や短大の推薦入試、単位認定の基準に採用されていることなどから、年間で約60万人の方々が受験する日商簿記検定試験は、規模が大きく、最もポピュラーで権威が高く、社会的にも高い信頼と評価を得ています。
従来のペーパーで行う統一試験に加えて、2020年12月より新たにネット試験が実施されるようになり、取得ニーズの高い資格であることがわかります。
業種・業態・企業規模にかかわらず簿記は必要な能力であり、資格を取得すれば就職や転職にも有利です。
受験資格
特に制限はなく、どなたでも受験できます。
同日に、2級と3級、1級と2級の組み合わせで併願受験することも可能です。
試験科目
級 | 科目 |
---|---|
1級 | 商業簿記、会計学、 工業簿記、原価計算 |
2級 | 商業簿記、工業簿記 |
3級 | 商業簿記 |
試験レベル
級 | レベル |
---|---|
1級 | 極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務 諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求 められるレベル。 合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士など国家資格への登竜 門。 |
2級 | 経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を 把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められる レベル。 |
3級 | 業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」とし て、多くの企業から評価される資格。 基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連 書類の適切な処理を行うために求められるレベル。 |
簿記初級 | 業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが日常業務をこなすための基礎知識。 簿記の基本用語や複式簿記の仕組みを理解し、業務に利活用することができる。 |
原価計算初級 | 業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが事業の収益性を把握するための基礎知識。 原価計算の基本用語や原価と利益の関係を分析・理解し、業務に利活用することができる。 |
受験料
1級 | 7,850円 |
---|---|
2級 | 4,720円 |
3級 | 2,850円 |
簿記初級 | 2,200円 |
原価計算初級 | 2,200円 |
※受験料とは別に手数料が必要な場合があります。詳しくは各商工会議所にお問い合わせください。
試験時間
級 | 科目 | 時間 |
---|---|---|
1級 | 商業簿記・会計学 | 90分 |
工業簿記・原価計算 | 90分 | |
2級 | 商業簿記・工業簿記 | 90分 |
3級 | 商業簿記 | 60分 |
簿記初級 | 40分 | |
原価計算初級 | 40分 |
合格基準
級 | 配点 | 合格基準 |
---|---|---|
1級 | 各科目25点/合計100点 | 70%以上 ただし1科目ごとの得点は40%以上 (1科目でも9点以下があれば不合格) |
2級 | 100点 | 70%以上 |
3級 | ||
簿記初級 | ||
原価計算初級 |
統一試験の実施概要
1級 | 2級 | 3級 | |
---|---|---|---|
試験日 | 6月 第2日曜日 11月 第3日曜日 |
6月 第2日曜日 11月 第3日曜日 2月 第4日曜日 |
6月 第2日曜日 11月 第3日曜日 2月 第4日曜日 |
申込方法 | 商工会議所によって異なります。 試験日の約2カ月前に、受験希望地の商工会議所までお問い合わせください。 |
||
試験会場 | 各商工会議所が指定する会場 | ||
合格発表 | 試験後約3週間から2カ月 合格発表の期日や方法、証書の受け渡し方法等は、商工会議所によって異なります。 |
ネット試験の実施概要
2級 | 3級 | 簿記初級 | 原価計算初級 | |
---|---|---|---|---|
試験日 | 随時 | |||
申込方法 | 「株式会社CBT-Solutionsの日商簿記 申込専用ページ」から申込み |
商工会議所ネット試験施行機関に直接申込み | ||
試験会場 | 商工会議所が認定したテストセンター | 商工会議所ネット試験施行機関 | ||
合格発表 | 試験終了後試験システムにより自動採点され、合否を判定。 |
受験者データ
回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
152回(2019年6月9日) | 6,788 | 575 | 8.5% |
153回(2019年11月17日) | 7,520 | 735 | 9.8% |
155回(2020年6月14日) | 中止 | ||
156回(2020年11月15日) | 8,553 | 1,158 | 13.5% |
157回(2021年2月28日) | 6,351 | 502 | 7.9% |
回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
153回(2019年11月17日) | 48,744 | 13,195 | 27.1% |
154回(2020年2月23日) | 46,939 | 13,409 | 28.6% |
155回(2020年6月14日) | 中止 | ||
156回(2020年11月15日) | 39,830 | 7,255 | 18.2% |
157回(2021年2月28日) | 35,898 | 3,091 | 8.6% |
回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
153回(2019年11月17日) | 80,130 | 34,519 | 43.1% |
154回(2020年2月23日) | 76,896 | 37,744 | 49.1% |
155回(2020年6月14日) | 中止 | ||
156回(2020年11月15日) | 64,655 | 30,654 | 47.4% |
157回(2021年2月28日) | 59,747 | 40,129 | 67.2% |
回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
145回(2017年2月26日) | 527 | 135 | 25.6% |
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2017年4月1日~2018年3月31日 | 4,167名 | 2,243 | 53.8% |
2018年4月1日~2019年3月31日 | 4,182 | 2,421 | 57.9% |
2019年4月1日~2020年3月31日 | 4,284 | 2,545 | 59.4% |
2020年4月1日~2021年3月31日 | 3,988 | 2,516 | 63.1% |
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2018年4月1日~2019年3月31日 | 2,098 | 1,954 | 93.1% |
2019年4月1日~2020年3月31日 | 1,788 | 1,641 | 92.3% |
2020年4月1日~2021年3月31日 | 1,870 | 1,705 | 91.2% |
試験実施団体
日本商工会議所
URL:https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping
※検定試験に関するお問い合わせは、日本商工会議所へお問い合わせください。