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会計に関する情報室

株主資本等変動計算書

株主資本等変動計算書とは、貸借対照表の純資産の部の変動状況を表す財務諸表です。
株主資本等変動計算書は、前期末と当期末の貸借対照表の純資産の部をつなぐ書類であるため、株主資本等変動計算書のなかの純資産合計の前期末残高は貸借対照表対照表の純資産の部の前期末合計額と同額であり、純資産合計の当期末残高は貸借対照表の純資産の部の当期末合計額と同額です。株主資本等変動計算書により、純資産の一事業年度中の変動額と変動事由が明らかになります。
株主資本等変動計算書に(等)がついているのは、株主資本以外の項目として評価・換算差額と新株予約権及び少数株主持分(連結貸借対照表のみ)の増減についても記載するためです。
貸借対照表の純資産の部に、評価・換算差額等や新株予約権、少数株主持分などがなければ、株主資本の増減だけの明細表となります。

このうち株主資本(資本金、資本剰余金、利益剰余金および自己株式)の当期変動額については、変動結果を純額表示するのではなく、各変動事由ごとに変動額および変動事由を総額表示する必要があります。
たとえば株主資本が増減する自由には、新株の発行(増資)や剰余金の配当、当期純利益、自己株式の買い取りまたは消却などがあります。
評価・換算差額および新株予約権に係る項目は、それぞれ前期末残高と当期末残高を明らかにし、当期変動額は純額で表示して構いません。

株主資本等変動計算書に係る注記表

前期の確定決算に係る剰余の配当は、当期の純資産を減少させるものなので、当期の株主資本等変動計算書の剰余金の配当の乱に記載します。
反対に、当期の確定決算に係る剰余金の配当は、翌期の剰余金を減少させるため、株主資本等変動計算書には記載しません。
このことは、会社の税金(法人税等)の計算について大きな影響があります。法人税法では、特定の同族会社が留保した所得には、通常の法人税額に加えて別途ペナルティー的に課せられる留保金課税という制度があります。
この留保所得の計算において、旧利益処分案に記載されていた当期決算に係る確定配当金は、税務上の社外流出として取り扱われてきました。
ところが、株主資本等変動計算書は、当期中の純資産の増減に関する明細書なので、当期の確定決算に係る剰余金の配当は記載されません。
このままでは、同族会社の留保金課税の計算において、当期の決算書に記載されない確定配当が翌期対応となってしまい、当期の留保所得に含まれるという問題が生じてしまいます。
そこで、当期末を基準日とする確定決算に係る剰余金の配当は、株主資本等変動計算書に関する注記として記載することで、税務計算の社外流出と結びつけられます。
また、旧利益処分案は、1円単位で表示する必要がありましたが、株主資本等変動計算書は1円単位または百万円単位のいずれかによる表示でも構いません。ただし、税務申告書に添付する決算書は、もちろん1円単位で作成します。